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■開発された圧力差発電システムの熱利用効率
従来の電力会社の大型発電設備では図−1に示すように、燃料が保有する発熱量を100%とすると、最終的に発電電力量として利用できるのは39%であり、大半の50%の熱量は海に捨てられ、海水の温度上昇の一因となっていることは周知のことである。
蒸気圧力差を利用した発電システムは、図−2に示すように、燃料が保有する発熱量を100%とすると、その内の84%はプロセスに利用される。従って、発電に利用されるのはわずか数%であるが、システム全体としての熱エネルギー利用効率は95%に達するといっても過言ではない。すなわち、図−3に従来の減圧弁使用と蒸気圧力差発電の系統図を示しますが、これに基づいて熱エネルギー利用効率の試算例を下記に示します。
1.減圧弁利用の従来型(実線)
  減圧弁利用のプロセスへの蒸気総熱量
  2788kJ/kg×5000kg/h=13,940,000kJ/h

2.圧力差発電の開発型(破線)
 
タービン利用のプロセスへの蒸気総熱量
 
2692kJ/kg×5179kg/h=13,940,000kJ/h

すなわち、蒸気タービンにより129kWの発電が得られるが、タービンで熱量が使われるので、タービン入り口で2788kJ/kgあった熱量がタービン出口では2692kJ/kgに減少する。従って、工場(プロセス)に必要な総熱量13,940,000kJ/hを確保するには蒸気量を若干(179kg/h)増やす必要がある。

この場合の熱エネルギー利用効率は、
【熱エネルギー利用効率】
(発電出力) kW×3600(kJ/h)/kW+(プロセスへの供給総熱量)kJ/h
(タービン入り口総熱量)kJ/h
129kW×3600(kJ/h)kW+13,940,000kJ/h
=0.998=99.8%
2788kJ/kg×5179kg/h
となり、限界に近い高効率であることが判る。
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